
MILJØ (ミリヨ)とは、ノルウェー語で「環境」の意味。“地球に沿う”をテーマに、熊本のハウスメーカー「アネシス」が取り組む、さまざまな環境活動を総称したプロジェクトです。
その第一弾としてスタートするのは、より環境に配慮した外構、庭づくりの取り組み。「どうやら鍵は、土中環境にあるらしい」環境先進国ノルウェーの実例をヒントにしながら、私たちの取り組みを紹介します。
MILJØは今後、自然環境のみならず。安全を確保する防災環境や生活環境まで。家づくりから、さまざま未来の環境への明るい兆しを照らしていきます。これが熊本の地に沿い、根付きながら、いつか日本各地へと広まっていくように。
たとえば、森にいて、
こんもり繁る木に、
あんのんとする。
そこに風がふき、
葉っぱがおどると、
心もおどる。
そこに光が差すと、
ゆれるきらめきに、
胸ときめく。
あの喜びの感覚を、
この幸せの体験を、
知らないはずは、
きっとないでしょう。
なのに家を建てるとき、
中のことばかり考えて、
外のことはあとまわしに
なっていませんか。
最初は植栽を整えても、
いつのまにか弱って、
元気がなくなって
しまっていませんか。
だけど。
それは住み手のせい、
だけではないならば。
いくら水をやっても、
いくら世話をしても、
森のようにはならない。
木がそんなに繁らない。
風がこんなに吹かない。
光もあんなに差さない。
実は、その理由……
答えは
見えない
土の中
にある、とするならば。
街はすべからく人のために作られます。道はこころよく安全に歩くために設えられます。ゆえにアスファルトやコンクリートで固められることが是。私たち、アネシスの分譲地においてもしかりです。ただそれは、植物にとってもよいとは限りません。
「住宅地は多くの場合、土がガチガチに固まって、水と空気が詰まってるんです」
と言うのは、熊本・阿蘇を拠点に自生する木々を採り入れた造園を行う「古閑舎」の古閑英稔さん。(詳しく)これまであまたの住宅の植栽を手がけるうち、このことに気づきます。
造成地や分譲地の植栽を見ていても、建てて1年は変わらない。ただ4~5年経つと健康に育っているものは少ないような気がする。
「水をやればいい」というわけではない。
むしろ水をやりすぎて、たまって根ぐされ(詳しく)が起きて、気づかずどんどん弱っていくこともある。植える木の方角を選んだり、改良材を変えてみたりと工夫をしても、改善しない。何をやっても効果がない。そんな時期に、古閑さんはぶつかります。
あれこれ調べ考えるうち、問題は見えない
土の中のほう、いわゆる「土中環境」(詳しく)なのではないか、と思い至ります。
そこで試みたのが
水と空気の通りみちをつくり、土の中まで染みこませること。
すると水が上から下に流れるだけでなく、土の中にある根っこや菌糸が水を吸い上げ(詳しく)、栄養を取り入れる。そうしてできた土の中の隙間で水と空気が循環し、次第に環境がよくなっていったのです。
そこで大きい広葉樹を植えれば、光を浴びてすくすく育つ。夏は木陰ができて、木漏れ日が差し込む。秋になると葉が落ち、家の中に光をうんと取り入れられる。
植物にとっても、人にとっても快適で、健全になっていく。
「ただですね」と古閑さんは言います。ひとつの宅地だけだと、やはり限界があります。分譲地全体の土中環境を改善しないと、抜本的な解決にはつながりにくいんです、と。
そんな折、私たちにヒントをくれたのは、ノルウェーの都市空間・緑地設計に携わってきた、九州大学の木藤 健二郎(詳しく)准教授。
「ノルウェーでは宅地全体で、自然と生活空間をつなげる環境づくりがされています」
木藤先生いわく、たいせつなのは都市計画の段階から、宅地全体で雨水をうまく集めて土にしみ込ませたり、生態系をはぐくむ地表の水のみちを計画すること。
それがひとつの流れになっているとか。
地表の水のみちに加えて、土中の水のみちを考えてみる。
庭・道路・公園・遊水池・既存の緑などで、柔軟に地表と土中の水のみちを組み合わせて水を集めて浸透させていく。植物と土地を元気にしていく。
固まった住宅地の土には、杭や藁などを使って、土の中に水と空気の通り道をつくる。すると微生物が繁殖(詳しく)し、本来の森のしくみが再現される。
健康な土壌は自然のフィルターとして機能し、
地下水を浄化し、増加するのにも役立つ。
また雨が降った時、下水道に直接放流せず、ゆっくり土中に浸透させる「雨庭」(詳しく)の構造を設けることで、土壌の保水力が高まり、地下水の水量を維持する。
また土砂崩れや洪水などの水害や、地盤沈下を防ぐことにもつながる。*九州大学は本プロジェクトの安全性を保証するものではありません。
それらは、水道水源の約8割を地下水に依存(詳しく)し、水害の多い熊本を拠点にするアネシスにとって、決して人ごとではありません。
さらに水のみちにその地域や生育条件にあった植物を植えれば、健康で管理しやすい「本物」の緑が育つ。地場植生が安定すれば雑草が入りにくい。「本物」の四季の味覚・色・匂い・肌ざわりなどが成長する生活の場が、地域の景観・生態系・水循環の一部となっていく。
「ノルウェーの人たちにとって環境の問題は、ぜんぶ自分ごとなんです」
失業すると生きていけないと同じく、北極の氷が溶けると生きていけない。ミツバチがいなくなると、受粉に頼る作物や自然が育たない。そう、当たり前のように考えている。
だから、私たちも。「自分ごと」としての第一歩を踏み出すために。土中環境に向き合い、取り組んだ分譲地が、あたらしく誕生します。
分 譲 地
– アクアガーデンについて –
アクアガーデンは、自然と調和した持続可能な暮らしを提案する新しい分譲地です。ノルウェーの都市計画に学び、水源涵養(かんよう)を導く「雨庭」や植物が健やかに成長する土中環境を整える構造を採用、サステナブルで緑の美しい環境を実現しています。
外構プロジェクト
その1Part1
アクアガーデン富合
最初の分譲地として熊本市南区富合町に誕生する「アクアガーデン富合」は、自然とともに心地よく暮らせる環境づくりをめざした新たな街です。敷地ごとの植栽や、土中の水と空気の流れに配慮した設計により、時間とともに緑が育ち、まち全体が美しく成熟していくことを目指しています。
外構プロジェクト
その2Part2
モデルハウス
シャルムコート北区飛田
アクアガーデンの「雨庭」構造を取り入れたモデルハウスが、アネシスの分譲地「シャルムコート北区飛田7号地」に誕生しました。土中環境が整った自然と調和する暮らしを現地で体感いただけます。ぜひお気軽にお越しください。
まったくもっての
手つかずよりも
人が手をかけると
木は健やかになり、
木の姿を通して、
人は健やかになる。
こうして人と木が
快適をわかちあえる、
循環が起きていく。
さらにその木は、
きっとあなたより
ずっと長生きします。
だからこそこれは、
子どもたちの世代に
あなたが今まで
大切にしてきたもの、
生きてきたあかしを、
木に託すようなこと、
でもあるのなら。

